下記は、「まぐまぐ」メルマガ第24号(2014.2.28)に掲載したものです。
参考に供したい。



 

『脳機能の不思議、“やり始める”と“やる気が出る”とは!』

 

 

 

○はじめに

・私達の脳は、人間も動物である以上、長い進化の過程から、まず“やろうと身体を動かすこと”が先で、そうすれば“自
ずとや
る気が出る”ように、システム設計されていると言う。

 

○身体を動かすことが、まず先(出力優先)

・脳には入力と出力があります。いや、身体感覚(入力)と身体運動(出力)の二点こそが、脳にとって外部との接点の全て
です。
ですから、入力と出力はともに重要です。しかし、入力と出力、あえてどちらが重要かと問われれば、それは躊躇
(ちゅうちょ)
なく、出力(身体運動)です。

 

・その理由は、以下の通り。

1)脳は出力することで記憶する。

・脳に記憶される情報は、どれだけ頻繁(ひんぱん)に脳にその情報が入って来たかではなく、どれほどその情報が必要とさ
れる状
況に至ったか、つまりその情報をどれほど使ったかを基準にして選択されます。

2)笑顔も出力が先。

・楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しい。つまり、笑顔と言う表情の出力を通じて、その行動結果に見合った心理状
態を脳
が生み出すのです。やはり出力が先です。

3)就眠時間になったから寝る。

・「眠いから寝る」という一見当たり前に思える行動も、通常間違った表現です。もちろん、寝不足だったり、酒や睡眠薬
を飲ん
だりすれば、「眠くなったから寝る」ことはあり得ます。

・しかし、それはごく一部の状況でしょう。毎晩どのように寝るか想像してください。たいていは「就眠時間になったから
寝る」
のではないでしょうか。あるいは「もうこんな時間だ。明日も仕事だし」と寝ることもあるかも知れません。いず
れのケースも、
眠いから寝るのではなく、むしろ眠くもないのに寝るわけです。では、どう睡魔(すいま)を呼び込むかと言
えば、身体を使うわ
けです。寝室に入って、電気を消し、布団をかぶって、横になる。すると自然に睡魔が訪れます。

・身体をそれにふさわしい状況に置くから「眠くなる」わけです。身体が先で眠気は後です。就眠の姿勢(出力=行動)を
作るこ
とで、それに見合った内側(感情や感覚)が形成されるわけです。

・ときに会議中や授業中に眠くなるのも、静かに座っている姿勢が休息の姿勢でもあるからだと言えます。あくまでも身体
がトリ
ガーです。

4)やり始めるとやる気が出る。

・やる気が出たからやると言うより、やり始めるとやる気が出ると言うケースが意外と多い。年末の大掃除などは良い例で、
乗り
気がしないまま始めたかもしれませんが、いざ作業を開始すると、次第に気分が乗ってきて、部屋をすっかりきれいに
してしま
ったと言う経験が誰にでもある筈です。

・「何事も始めた時点で、もう半分は終わったようなもの」とはよく言ったものです。

・私達の脳が、「出力を重視する」ように設計されている以上、出力を心掛けた生き方を大切にしたいものです。脳が身体
より上
位にあるのではなく、心は身体から派生することを、あえて念頭に置くことが大切な時代だ。

 

○身体運動を伴うと脳神経細胞(ニューロン)が10倍強く活動する。

・米デューク大学のクルパ博士等の研究だが「身体運動を伴うと脳神経細胞(ニューロン)が、10倍ほど強く活動する」
ことが
判明しています。

・ここで何が分かるかと言うと、“受動的に教えられる”のと“積極的に学びにいく”との脳神経細胞の活動の強さには、
10倍
の開きがあると言うことです。如何に”自学が大事か”と言う証左でもあります。

 

○雑感

・人間の脳機能は、長い進化の過程から、入力重視(感覚重視)よりも出力重視(運動重視)にシステム設計されている。そ
のこと
を踏まえた生き方が、何よりも大事ということ・・・・・。

 

【参考文献】池谷裕二著『脳には 妙なクセがある』

      池谷裕二、上大岡トメ著『のうだま』